不動産なんでも相談室|「平屋建て」と「平家建て」との違い

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2024.11.20

「平屋建て」と「平家建て」との違い

 こんにちは、不動産鑑定士の神田浩二です。秋もそろそろ終わりに近づき、いよいよ冬の訪れが近くなってきましたね。

 今回は、「平屋建て」と「平家建て」との表記の違いについて書かせて頂きます。

 

Q.住宅を探していて気になったのですが、建物の表記で「平屋建て」と「平家建て」とがあったのですが、何か違うのでしょうか?

 

A.細かいご指摘ですが、よく気付かれましたね。『ひらやだて』というのは、建物が一階建てであるという意味で、「平屋建て」と「平家建て」、漢字が違っても、どちらでも意味としては通じますし、どちらで記載されていても特に違和感はないですが、実は、書類によって、きちんと使い分けられているのです。

 一般に馴染みがあるのは、「平屋」の漢字の方ではないでしょうか。実際に、平屋の漢字の方がよく見る気もしますが、そこまで意識していないと、些細な違いなので正直よく気付かないかもしれません。では、「平家」と表記されているのはどういった書類なのかといいますと、不動産の登記書類や建築基準法での表記に、この「平家」という漢字が使われています。また、建物の登記簿謄本を見てみますと、もう一つ違う点として送り仮名もなく、「平家建」と記載されています。

 不動産登記規則の第114条で、建物の構造について、階数による区分として、「平家建」、二階建、三階建、と分けられています。また、建築基準法の条文でも、一階建ての建物を「平屋建」としております。つまり、法律や規制の中では「平屋」と書かれたものはなく、全て「平家」と記載されているわけなのですが、私たちが日常で建物の事を書く場合には、特にどちらでも問題はありません。

ただし、不動産に携わる専門家、司法書士や土地家屋調査士、建築家などは正確に「平家建」と書く必要があり、公的書類には「平家建」が適切な表記になります。よって、不動産の実務上において、普段は「平屋」で、公的書類は「平家」と使い分けをしますと、余計にややこしいので、普段から「平家」で統一しておけば、誤記入や見落としもなくなると思います。

普段は、あまり意識をせず書いている漢字の表記ですが、売買契約書を締結する際などには、正確に書かれているかどうか、きちんと確認をしましょう。